2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元異方性光導波路の設計・解析手法の開発と高機能フォトニック結晶回路素子の探索
Project/Area Number |
05J08900
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河野 直哉 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フォトニック結晶 / 磁気光学デバイス / 非相反効果 / 光導波路 / 集積フォトニクス / 数値解析 / 有限要素法 |
Research Abstract |
フォトニック結晶(PC)を利用した導波路型非相反光デバイスの設計を支援するために,2次元のみならず,3次元構造にも対応した汎用性の高い解析手法を開発するとともに,これを駆使して,PC導波路に磁気光学材料を応用した新しい導波路型PCデバイスを探索する. 1.磁化の方向を一般化した2次元解析手法の開発 非相反位相変化のみならず偏波変換をも包括的に取り扱えるように,有限要素法をベクトル波解析に対応した形で新たに定式化した.本研究では,エッジ/ノーダルハイブリッド要素と呼ばれるベクトル型要素を利用することで,非物理的な解,いわゆるスプリアス解は全く発生することなく,異なる偏波間の結合を正確に評価することを可能にしている.また,磁性PC導波路デバイスに対する有効性を示すために,提案手法を偏波変換に基づく光アイソレータの設計に適用している. 2.磁性PCスラブ導波路の基本特性の3次元解析による調査 3次元有限要素法を用いて,有限の厚みのある磁性PCスラブ導波路の基本特性の解析を行った.2次元磁性PCといえども,実際の構造は磁性体薄膜から作製されるため,有限の厚みをもつことになる.このような複雑な3次元構造の特性を正確に把握するためには,3次元解析が不可欠である.特性解析の結果,クラッド材料としてシリカを用いた場合,空孔を深くすることで損失を十分に抑えられること,さらに,導波路幅を狭くすることにより,非相反効果を高められることを示めされた. 3.ナノポーラスシリカをクラッドに用いた磁性PCスラブ導波路の提案 ナノポーラスシリカのような屈折率の極端に低い媒質をクラッドに用いることで,上述の深い空孔の必要なく,損失を下げられることを示した.このような深い孔の必要をなくす工夫は,エッチング技術によりデバイスを作製する際に生じる表面荒れの問題を解決するために不可欠である.
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Research Products
(4 results)