2006 Fiscal Year Annual Research Report
包括的モデル構築に基づくロバストな進化計算アルゴリズムの研究
Project/Area Number |
05J08902
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
辻 美和子 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / ビルディングブロック / リンケージ |
Research Abstract |
本研究では,最適化に際してパラメータ調整やアルゴリズムの選択を必要としない汎用的な最適化ツールを実現する可能性を持つ進化計算アルゴリズムに注目した.代表的な進化計算アルゴリズムとしては遺伝的アルゴリズムが知られているが,従来の単純遺伝的アルゴリズムでは,質の高い部分解であるビルディングブロックを組み合わせる探索がしばしば困難であった.これは,事前知識によりビルディングブロックを単純遺伝的アルゴリズムが組み合わせやすいように符号化することが困難であり,そのような事前知識があった場合にも従来手法では適切な組み合わせが困難だったことに起因する. そこで本研究においては,問題に関する事前知識によらず自動的にリンケージを同定する手法であるD5を提案した.提案した手法は,変数の摂動による適応度差分に基づく分布推定を利用しており,同じリンケージ同定を目的とする他の手法と比較して、他手法が特に苦手とする問題領域において高い性能を発揮する. さらに,リンケージ同定もしくは事前知識などによりビルディングブロックが既知の場合においてもその適切な組み合わせが困難な場合がある.とくにビルディングブロックどうしが重複する問題においては,あるビルディングブロックを交換することが別のビルディングブロックを破壊する可能性があるため、より慎重に交叉を検討する手法がある.このような場合に対して,本研究ではCDC(コンテクスト依存交叉)と呼ばれる交叉手法を提案した.CDCは,ビルディングブロックが重複する問題においても,それらの破壊を最小限にとどめるのみならず,交叉の結果として多様な探索点を与える. また,これらの手法を組み込んだ遺伝的アルゴリズムを人工的なテスト関数,およびネットワーク設計問題に適用し,アルゴリズムの性能を検証した.
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Research Products
(4 results)