2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハンタウイルスレセプターの同定〜エンベロープ蛋白組換ウイルスを用いたアプローチ
Project/Area Number |
05J08973
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥村 恵 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハンタウイルス / 人獣共通感染症 / レセプター / 宿主因子 / 感染様式 / 細胞指向性 |
Research Abstract |
これまでの結果から、MDBK細胞(ウシ腎由来)は、30種類以上の哺乳類由来細胞の中で唯一ハンタウイルスエンベロープ蛋白を外被したシュード型VSV(pVSV)に感受性を示さないことが分かっている。本年度はMDBK細胞の感受性を別のシュード型ウイルスで確認することおよび今後ハンタウイルス感受性遺伝子スクリーニングを効率よく行うために、これまで研究に用いてきたpVSVに加え、ハンターン型あるいはソウル型ハンタウイルスのG1およびG2蛋白を外被したシュード型レトロウイルス(pMuLV)を作製した。これは細胞の薬剤耐性獲得を指標としてウイルスエンベロープ蛋白の細胞指向性を検討できるシュード型ウイルスモデルである。このpMuLVを用いた感受性試験では、pVSVの結果と同様、VeroE6細胞(サル腎由来)およびLLCMK2細胞(サル腎由来)はハンタウイルスエンベロープ蛋白に高い感受性を示し、MDBK細胞はほとんど感受性を示さなかった。また、ハンタウイルス感受性であることが明らかとなっているA549細胞株(ヒト肺由来)およびACHN細胞(ヒト腎由来)から抽出したトータルmRNAを用いて、cDNAライブラリーを作製した。発現ベクターには、哺乳細胞で発現効率がよいとされるpCAGGS・MCSベクターを用いた。MDBK細胞についてトランスフェクション効率の検討をしたところ、極めてトランスフェクション効率の悪い細胞であることが分かった。トランスフェクション効率のよいMDBK細胞株を手に入れるため、本細胞のクローニングを行ったところ、元のMDBK細胞株よりもトランスフェクション効率のよいMDBKクローンNo.5を確立した。現在はこれらを用いてスクリーニング作業を進めている。
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