2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J08991
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平野 良憲 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 細胞極性 / 構造生物学 / タンパク質間相互作用 / protein kinase C / lethal giant larvae / LGN |
Research Abstract |
aPKCによる細胞極性制御機構を明らかにするため,aPKC_ι,Par6αPB1ドメイン複合体の立体構造を決定し,その詳細な相互作用様式を明らかにした.また共同研究者によるin vivoでのアッセイにより細胞極性形成においてaPKC,Par6の複合体形成が重要であることを示唆した. aPKCλ,mLgl全長それぞれを大腸菌で発現させた場合,発現は確認できたが発現量は少なく,また発現したタンパク質が正しいフォールドをとっていないことが予想された.そこでより高等なタンパク質発現系である昆虫細胞での発現を試み,aPKCλ,mLgl2全長についてそれぞれ発現させることに成功した.これら昆虫細胞で発現させた組み換えタンパク質を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行い,in vitro再構成系でもPar6/mLgl二者複合体,aPKC/Par6/mLgl三者複合体が形成されることを明らかにした.またmLglについてはプロテアーゼによる限定分解を行い,その結果からN末端側とC末端側に安定な構造領域が存在することが示唆された. 最近,上皮細胞の細胞極性形成において低分子量Gタンパク質と三量体Gタンパク質のシグナル伝達が協調的に機能しており,InscuteableおよびLGNはこの二つのシグナル伝達経路を結び付ける分子であることが示唆されている.そこでInscuteable, LGNの立体構造解析のための発現・精製系の確立に着手し,LGNについてはN末端のTPRドメインおよびほぼ全長に近いコンストラクトの精製系を確立した.これらのコンストラクトについて結晶化スクリーニングを試みている. 本研究の成果の一部は6月に福岡で行われた第6回日本蛋白質科学会年会における口頭発表,8月にフィレンツェで行われた第20回国際結晶学連合大会でのポスター発表にて報告した.
|