2006 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識蛋白を発現する細胞の同定と病態における役割
Project/Area Number |
05J09019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 純子 (仁尾 純子) 北海道大学, 大学院医学研究科, 助手
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Keywords | レクチン / ガレクチン / キチナーゼファミリー蛋白 / 消化管 / 卵巣 / 黄体退行 / 20α-HSD / GM1ガングリオシドーシス |
Research Abstract |
昨年度にひきつづきマウスに存在する9種類のガレクチンサブタイプ(galectin-1,-2,-3,-4,-6,-7,-8,-9,-12)の発現細胞をin situ hybridization法により解析するとともに、各サブタイプに対する特異抗体の作製を行った。さまざまな組織(消化管、尿生殖器、呼吸器、神経系および免疫系)におけるガレクチンmRNAの発現解析はほぼ終了し、また、主要なサブタイプ(galectin-8,-9,-12を除く)に対する有効な特異抗体を得た。これらの特異抗体を用いて、消化管上皮におけるgalectinの局在を解析したところ、各サブタイプが消化管の部位および細胞特異的に分布しており、同一の細胞でもサブタイプによって局在が異なることが明らかとなった。 また、卵巣におけるガレクチン発現細胞を同定していく過程で、黄体においてgalectin-3がプロジェステロンの分解酵素である20α-hydoroxysteroid dehydrogenase(20α-HSD)と相関して発現することを新たに見出し、これらの結果をまとめて、アメリカの組織専門誌に投稿し、受理された。また、黄体におけるガレクチンの発現には脳下垂体より分泌されるプロラクチンや子宮より分泌されるプロスタグランジンF2αが関与する可能性を考え、現在さらなる研究を進めているところである。 病態における発現解析では、本学獣医学研究科内科学教室大和修助教授(現鹿児島大学農学部獣医学科臨床獣医学講座臨床病理学分野教授)のご好意により分与していただいたGM1ガングリオシドーシス罹患犬の脳組織において、galectin-1とgalectin-3の2つのサブタイプが病変部で顕著に発現増強していることを確認した。 本研究により得られた結果は、ガレクチンの機能を理解する上での重要な情報を提供するものと思われる。
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Research Products
(2 results)