2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識蛋白を発現する細胞の同定と病態における役割
Project/Area Number |
05J09019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
仁尾 純子 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | レクチン / ガレクチン / キチナーゼファミリー蛋白 / 消化管 / 泌尿器 / 卵巣 / プロジェステロン / 20α-HSD |
Research Abstract |
内在性レクチンのひとつであるガレクチンはこれまでに哺乳類で15種類のサブタイプが報告されている。マウスで同定されているのは9種類で、消化管には6つのサブタイプ(galectin-1,-2,-3,-4,-6,-7)が存在する。本年度はin situ hybridization法により消化管における各ガレクチンサブタイプの発現を精査すると同時に、各サブタイプに対する特異抗体の作製に主に取り組んだ。消化管に発現する6つのサブタイプのうち、市販の抗体が利用できたものはgalectin-3とgalectin-7のみであった。のこりの4つのサブタイプについて、GST融合リコンビナントタンパク質をウサギおよびモルモットに免疫して特異抗体を作製したところ、細胞内局在の検索に有効な特異抗体を得ることができた。消化管上皮における各サブタイプの細胞内局在は光顕・電顕レベルで現在検索中である。また、マウスの全身におけるガレクチンの発現を検索すると、泌尿器と卵巣にgalectin-3が強く発現していることが明らかとなった。腎臓のgalectin-3は、集合管と腎盤から尿道にかけての移行上皮に連続して発現しており、尿管芽と尿生殖洞に由来するこれら上皮のマーカーとして有用であると思われた。卵巣では、黄体にgalectin-3の発現が特異的に認められ、プロジェステロンを不活化する酵素である20α-hydroxysteroid dehydrogenase (20α-HSD)の発現と完全に相関していたことから、プロジェステロンの活性にgalectin-3が抑制的に働く可能性が示された。 キチナーゼファミリー蛋白に関しては、RI標識プローブを用いたin situ hybridization法では検索が不可能であったため、別の手法を立ち上げ、検索を進めているところである
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Research Products
(2 results)