2005 Fiscal Year Annual Research Report
動物のライソゾーム蓄積病の新規診断法および治療法開発に関する基礎的検討
Project/Area Number |
05J09022
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 裕之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ライソゾーム蓄積病 / 動物モデル / ガングリオシドーシス / セロイドリポフスチン症 / 遺伝病 / スクリーニング |
Research Abstract |
1)柴犬のGM1ガングリオシドーシスの分子疫学調査と予防・制圧 PCRを用いてすでに確立している簡易迅速スクリーニング法を改良し、口腔内拭き取り材料を用いて大規模な疫学調査が可能となる方法を開発した。この方法を利用して、国内外の柴犬クラブに属する繁殖犬について、GM1ガングリオシドーシスの遺伝子型を決定した。その結果、国内では約3%の個体が原因変異を有し、国外では検査した全頭が本疾患の原因変異を有しない個体であった。 2)セロイド・リポフスチン症の生化学的診断法の開発 セロイド・リポフスチン症で死亡したボーダー・コリー犬の肝臓から、本疾患の主要な蓄積物質であるmitochondrial ATP synthase subunit cを精製単離し、これをウサギに免疫して抗血清を作成した。さらに、この抗血清を利用したELISAの系を開発した。現在、ELISAの感度、特異性を含めた実用性の検討を進めている。 3)CSFを利用したライソゾーム蓄積病のスクリーニング法 各種ライソゾーム蓄積病に罹患した個体のCSF中で、共通して増加するパラメーターを検索した。その結果、CSF中のaspartate aminotransferase活性、lactate dehydrogenase活性およびNSE濃度がGM1およびGM2ガングリオシドーシスにおいて共通して高値を示す傾向が認められた。また、疾患の進行が比較的緩徐であるセロイド・リポフスチン症ではこのような傾向は乏しく、病勢や障害部位によりスクリーニング検査には限界があることも示された。
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Research Products
(1 results)