2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相選択成長法による半導体ナノワイヤの形成と単電子素子への応用
Project/Area Number |
05J09087
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
登坂 仁一郎 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 化合物半導体 / 有機金属気相成長 / ガリウム砒素 |
Research Abstract |
有機金属気相選択成長法を用い作製した半導体ナノワイヤに対し電気的評価を試みた。 電気測定を行った半導体ナノワイヤは、シランによりドーピングを行ったn型ガリウム砒素、さらに、ドーピングを行ったガリウム砒素をナノワイヤの直径方向にアルミガリウム砒素で覆ったヘテロ構造を有する二種のナノワイヤを用いた。 電極構造は、p型シリコン/二酸化シリコン基板に作製したそれぞれのナノワイヤを散布し、電子線露光装置により単一のナノワイヤに対し電極構造を形成した。 p型シリコンはアルミを蒸着し背面ゲートとして利用し、二酸化シリコンによりナノワイヤと絶縁している。 これらの資料に対し電気的な評価を行ったところ、n型ガリウム砒素を用いたナノワイヤは電気的な評価が困難であることがわかった。これは、ナノワイヤの直径が微小であるためナノワイヤが空乏化しチャネルが消失しているためと考えられる。一方、n型ガリウム砒素をアルミガリウム砒素で覆った構造においては、典型的なオーミック特性が得られ、その抵抗値は数MΩ程度であった。この抵抗値はナノワイヤのサイズから導き出される値より数百倍から数千倍の大きさに相当する。これは、ナノワイヤと電極部分の接触面積が小さいこと、金属とナノワイヤの接合が良好ではないことに起因すると考えられる。さらに背面ゲートの機能を確認したところ、背面ゲートはナノワイヤの導電率を変化させる機能を有していないことがわかった。これは、化合物半導体の表面準位に起因する結果と考えられる。 これらの結果から、ナノワイヤを用いた単電子素子の実現に対しガリウム砒素・アルミガリウム砒素ヘテロ構造ナノワイヤが適していること、ショットキーゲートの必要性が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)