2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相選択成長法による半導体ナノワイヤの形成と単電子素子への応用
Project/Area Number |
05J09087
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
登坂 仁一郎 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノワイヤ / MOVPE / 化合物半導体 |
Research Abstract |
有機金属気相選択成長法を用い作製したInAsナノワイヤに対し電気的評価を試みた。 InAsナノワイヤに対しては、SiNxによるMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)上面ゲートを形成し、ナノワイヤの電気的特性を評価した。その結果、背面ゲートに比較し良好なゲート制御性が確認でき、最大伝達コンダクタンスGm_max=150mS/mmが得られた。電流オン/オフ比は3桁と現存のMOSデバイスに対しては劣るものの、更なるプロセスの改善を行えば、電界効果トランジスタとしても十分な性能が期待できる。 これまでのナノワイヤの成長に関する研究から、単電子デバイスの障壁/チャネル層の候補として、GaAs/InAsあるいはInGaAs/InAs等のヘテロ接合が考えられる。そこで、はじめに単層のInGaAsナノワイヤを形成し、その組成を評価した。作製したInGaAsナノワイヤでは、In組成が約76%と高く、チャネルを形成するInAsに対しバンドオフセットが176meVと小さな値となるため、今後、In組成を減少させバンドオフセットを調節する必要がある。 また、InAsおよびInGaAsナノワイヤに対する電気特性の評価結果から、移動度(数100cm^2/Vs)など材料から期待される特性が得られていないことが明らかとなった。原因については幾つか考えられるが、ナノワイヤの表面の効果、成長時の不純物混入などが考えられる。ナノワイヤの表面の効果に対しては、以前報告したコア/シェル構造による表面不活性化が有効に機能するものと考えられる。一方、不純物混入に対しては、不純物として考えられるカーボンの結晶層への混入を抑制するため、ナノワイヤ成長時の成長温度を低温にし、ナノワイヤを形成する必要があるものと考えられる。
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Research Products
(4 results)