2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリグルタミン病におけるアミロイド凝集阻害剤の開発とその阻害機構の解明
Project/Area Number |
05J09092
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅海 裕也 北海道大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポリグルタミン病 / ハンチントン病 / アミロイド / ファージディスプレイ法 / D型ペプチド / ペプチド合成 / 凝集阻害剤 |
Research Abstract |
ポリグルタミン病は、病因遺伝子中のCAGリピートの異常伸長による遺伝病であり、これがコードするグルタミンの残基数が40以上になるとアミロイド様の凝集を生じ、神経細胞毒性を持つようになると考えられている。本研究は、化学合成により得られるL型、D型の長鎖ポリグルタミンペプチドを用い、in vitroでのより詳細な凝集形成メカニズムの解明、ファージディスプレイ法によるD型ペプチドからなるポリグルタミン凝集阻害剤の開発、およびその凝集阻害メカニズムの解明を目的とする。 本年度は、ポリグルタミン配列の合成困難性を改善するため、レジン、カップリング試薬、反応温度の改善、および反応時間の大幅な延長を行い、L型長鎖ポリグルタミンペプチドの化学合成を達成した。さらに、同様の反応条件を用いることでD型の長鎖ポリグルタミンペプチドの合成も完了した。現在、ファージディスプレイ法により、合成したL型、D型の長鎖ポリグルタミンペプチドに対する結合ペプチド配列のスクリーニングを行っている。また、それにより得られるペプチドのin vitro、in vivo凝集阻害能の測定に必須である長鎖ポリグルタミンをコードするベクターの作成を行っている。 さらに、昨年度ポリグルタミンと同じくアミロイドを形成することを報告したp53四量体形成ドメイン変異体ペプチド(G334V)が、野生型ペプチド(WT)とのヘテロ多量体化により、アミロイド形成を抑制されることが示唆された。この結果は、アミロイドに対する新規凝集抑制法の開発において有効なモデルになると期待される。
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Research Products
(1 results)