2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規二核ロジウム(II)錯体の創製に基づく不斉ルイス酸触媒反応の開発
Project/Area Number |
05J09106
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鷲尾 卓哉 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / ルイス酸触媒 / 不斉反応 / ヘテロDiels-Alder反応 / 向山アルドール反応 / カルボニル-エン反応 / ニトロアルドール反応 |
Research Abstract |
我々はこれまで不斉ロジウム(II)アミダート錯体Rh_2(S-BPTPI)_4が、ヘテロDiels-Alder(HDA)反応における優れたルイス酸触媒として機能することを見出している。本年度はロジウム(II)錯体をルイス酸触媒として用いる反応開発研究を行い、以下の知見を得た。 1.酸素官能基一つで活性化された1,3-ジエンとアセチレニックアルデヒドとの不斉HDA反応にRh_2(S-BPTPI)_4を用いると完璧なシス選択性と最高99%の不斉収率でテトラヒドロピラノンが得られることを見出した。また、これまでに報告例がなかった4位に芳香環が置換したジエンを用いるHDA反応を行い、本反応を鍵行程とする(-)-Centrolobineの合成を行った。さらに現在予備的知見ではあるが、Rh_2(S-BPTPI)_4は通常ルイス酸触媒を用いる不斉HDA反応には用いられないRawalのジエンも適用可能(最高不斉収率99%)であることが分かった。 2.シリルケテンアセタールと電子不足アルデヒドの向山アルドール反応にRh_2(S-BPTPI)_4を用いると最高不斉収率94%でアルドール成績体が得られることを見出した。また、グリオキシル酸エステルとα-メチルスチレンの不斉カルボニル-エン反応では、Rh_2(S-PTPI)_4を用いた場合に50%eeと中程度の不斉誘起が観測された。さらに、p-ニトロベンズアルデヒドとニトロメタンの不斉ニトロアルドール反応においても、Rh_2(S-BPTPI)_4を用いると40%eeの不斉誘起が観測された。
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Research Products
(1 results)