2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規二核ロジウム(II)錯体の創製に基づく不斉ルイス酸触媒反応の開発
Project/Area Number |
05J09106
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鷲尾 卓哉 北海道大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ロジウム(II)錯体 / ルイス酸触媒 / 不斉反応 / ヘテロDiels-Alder反応 / テトラヒドロピラン / 2-アザジエン |
Research Abstract |
我々はこれまで不斉ロジウム(II)アミダート錯体Rh_2(S-BPTPI)_4が、Danishefskyタイプのジエンとアルデヒドおよび酸素官能基一つで活性化されたジエンとアセチレニックアルデヒドのヘテロDiels-Alder(HDA)反応において優れたルイス酸触媒として機能することを見出している。本年度はロジウム(II)錯体をルイス酸触媒として用いる反応開発研究および開発した反応の応用研究を行い、以下の知見を得た。 1.芳香環が4位に置換した1,3-ジエンとアセチレニックアルデヒドの不斉HDA反応を鍵工程として細胞増殖抑制作用を示すCalyxin Lの形式合成を行った。HDA反応により得られた2,6-シス配置のテトラヒドロピラノン(91%ee)を再結晶により光学純品(>99%ee)とした後、4位カルボニル基を利用して鈴木-宮浦クロスカップリングによる芳香環導入を行い、Rychnovskyらが報告したCalyxin Lの合成中間体へと変換した。 2.通常、ルイス酸触媒の適用が困難である3-シロキシ-2-アザ-1,3-ジエンとアルデヒドのHDA反応に、Rh_2(S-BPTPI)_4を用いると極めて高い不斉収率でテトラヒドロオキサジノンが得られることを見出した。本反応は緩和なルイス酸であるロジウム(II)錯体の特長を活かした反応であり、環化生成物は種々の天然物合成に利用可能なキラルビルディングブロックである。
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