2007 Fiscal Year Annual Research Report
メダカ生殖腺体細胞分化・確立過程の細胞学的・分子生物学的解析
Project/Area Number |
05J09119
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 修平 Hokkaido University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | sox9 / gonad / medaka / BAC transgenic |
Research Abstract |
哺乳類Sox9遺伝子は性決定直後に雄特異的に発現が増加し、精巣形成に必須の重要な遺伝子であることが知られている。しかしながら哺乳類以外の脊椎動物のsox9遺伝子は両性で発現しており,このことはsox9にはまだ知られていない機能があることを示唆している。sox9の機能を探るため、我々はメダカのsox9ホモログであるsox9bを蛍光蛋白質遺伝子に置き換えたsox9b-GFP遺伝子導入メダカを作製し,sox9(GFP)発現細胞を解析した。その結果,メダカSox9b発現細胞は生殖腺原基を構成する前駆細胞として出現することが明らかとなった(Nakamura, et. al.,2006).生殖腺原基内ではこれらの細胞は生殖細胞を取囲む性的に未分化な支持細胞系列として存在しており,性分化進行と共に雄では雄型支持細胞であるセルトリ細胞へと分化し、雌では顆粒膜細胞へと分化することが明らかとなった(Nakamura, et. al.,2008)。これらの結果は、sox9b発現細胞が雌雄共通の前駆支持細胞(supporting cells)であることを示唆している。さらには成体メダカの卵巣にsox9b発現細胞が確認され、ショウジョウバエ卵巣中のgermarium様構造を構成していることを見いだした.本研究は脊椎動物の性分化時のsox9機能を再考させるのみならず,今まで不明であった卵巣における幹細胞研究にも大きな影響を与えるものと確信する.
|
Research Products
(5 results)