2005 Fiscal Year Annual Research Report
表皮水疱症に関連するVII型コラーゲンを真皮側から持続的に供給するシステムの開発
Project/Area Number |
05J09124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
後藤 真希 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 表皮水疱症 / VII型コラーゲン |
Research Abstract |
分子量の大きいタンパクやDNAは各層を通り抜けることはほとんど出来ないため、高分子を皮内へ局注することになるが、局注された分子は急速に真皮でクリアランスされてしまい、高分子の効果を発揮することが出来ない。そこで、高分子タンパクやDNAを真皮内で持続的に供給される技術が開発されれば、実現可能な新規治療が開発されることが予想される。 そこで我々は、重篤な遺伝性皮膚疾患の1つである栄養障害型表皮水疱症の病因遺伝子であるVII型コラーゲン遺伝子あるいはそのタンパクに注目した。VII型コラーゲンは、表皮側から作られ基底膜を構成していると従来から考えられてきた。しかし、最近真皮側からもVII型コラーゲンが供給されていることがわかってきた。そこで、VII型コラーゲンを真皮側から持続的に供給するシステムの開発を行った。 VII型コラーゲンを皮内投与し、持続的にVII型コラーゲンを発現させるため、始めにVII型コラーゲンのリコンビナントを作成した。以前から作成していたVII型コラーゲン遺伝子を導入したHaCaT細胞からのリコンビナント抽出では、収量が悪かった。そこで大量にタンパクを培養上清に出す293細胞にVII型コラーゲン遺伝子を導入し、大量にVII型コラーゲンを培養上清から回収し、リコンビナント作成の効率化を図った。また、作成したリコンビナントを精製し、実験動物に皮内投与するとタンパクが発現、機能していることを確認した。さらに、このリコンビナントタンパクのみでは持続性が低かったため、リコンビナントタンパクにキャリアーとなる結合ゼラチンとともに投与することにより、持続性が高くなることがわかった。
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Research Products
(5 results)