2006 Fiscal Year Annual Research Report
表皮水疱症に関連するVII型コラーゲンを真皮側から持続的に供給するシステムの開発
Project/Area Number |
05J09124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
後藤 真希 北海道大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 表皮水疱症 / VII型コラーゲン |
Research Abstract |
分子量の大きいタンパクやDNAは各層を通り抜けることはほとんど出来ないため、高分子を皮内へ局注することになるが、局注された分子は急速に真皮でクリアランスされてしまい、高分子の効果を発揮することが出来ない。そこで、高分子タンパクやDNAを真皮内で持続的に供給される技術が開発されれば、実現可能な新規治療が開発されることが予想される。 そこで我々は、重篤な遺伝性皮膚疾患の1つである栄養障害型表皮水疱症の病因遺伝子であるVII型コラーゲン遺伝子あるいはVII型コラーゲンタンパクに注目した。VII型コラーゲンは、表皮側から作られ基底膜を構成していると従来から考えられてきた。しかし、最近真皮側からもVII型コラーゲンが供給されていることがわかってきたため、VII型コラーゲンを真皮側から持続的に供給するシステムの開発を行った。 今回我々は、真皮を構成している線維芽細胞に着目し、全くVII型コラーゲンが発現していない本症の患者の線維芽細胞を培養し、ウイルスを用いて正常なVII型コラーゲン遺伝子を導入し、持続的にVII型コラーゲンを発現する線維芽細胞を作製した。その線維芽細胞を無免疫動物に移植し、皮膚を構築させ、基底膜に供給されるVII型コラーゲンの発現期間を検討した。その結果、9週後においても基底膜にVII型コラーゲンが供給されていることが確認され、持続的な供給を示唆する結果となった。さらには、表皮細胞にVII型コラーゲン遺伝子を導入した細胞を用いて構築させた皮膚と、線維芽細胞にVII型コラーゲン遺伝子を導入した細胞を用いて構築させた皮膚とでは、線維芽細胞に遺伝子導入した方が、より基底膜にVII型コラーゲンを供給することが新たに確認された。
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Research Products
(6 results)