2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロドメイン機能異常にもとづく2型糖尿病の病態解明
Project/Area Number |
05J09128
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 貴繁 北海道大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ガングリオシド / マイクロドメイン / 糖尿病 / 分化 / 内臓脂肪 / インスリンシグナル / マクロファージ |
Research Abstract |
(1)SAT-Iトランスジェニックマウスを用いた解析 SAT-Iトランスジェニックマウスの確立およびgerm-line化を完了した。通常飼育状態において、空腹時血糖値や血中のアディポネクチン濃度など糖尿病に関与するファクターについて検討をおこなったが、コントロールマウスのそれと比較して有為な差が認められなかった。そこで、今後は高脂肪食負荷条件下での検討を開始する予定である。 (2)腸間膜内臓脂肪細胞の生理的分化条件の確立 インスリンとIGF-1を併用することで、生理的濃度のインスリンおよびで成熟腸間膜内臓脂肪細胞を得ることに成功した。さらにインスリンとの各々が内臓脂肪細胞の分化過程にどのように関与しているかを網羅的real-time PCRにより検討したところ、EABP4,Adraldなど、その発現がインスリン/IGF-1シグナルに依存し、且つインスリンシグナルとIGF-1シグナルが相乗的に作用しているものであるものが存在することが判明した。従って、インスリンシグナルとの両者のシグナルは協調的にシグナル伝達を制御して、分化を達成していることを示すことができた。 (3)マクロファージによる腸間膜内臓脂肪細胞のSAT-I(GM3合成酵素)遺伝子発現制御 当研究室は糖尿病モデルマウスおよびラットにおいて内臓脂肪組織におけるGM3の発現量が顕著に増加していることを見出している。また一方で、内臓脂肪組織にはマクロファージが多く含まれている事が知られている。そこで、マクロファージによる腸間膜内臓脂肪細胞への影響について検討したところ、マクロファージを活性化することで、腸間膜内臓脂肪細胞のSAT-I遺伝子発現量が増加することを見出した。今後はマクロファージによる炎症性状態が内臓脂肪組織のGM3発現量にどのように関与するのかを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)