2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロドメイン機能異常にもとづく2型糖尿病の病態解明
Project/Area Number |
05J09128
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 貴繁 Hokkaido University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ガングリオシド / マイクロドメイン / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 分化 |
Research Abstract |
これまでに、インスリンとIGF-1を併用することで、生理的濃度のインスリン(0,85ng/ml)およびIGF-1で成熟腸間膜内臓脂肪細胞を得ることに成功した。そこで本培養系を応用して、糖尿病の病態像を反映した系を確立することを試みた。その結果、これまでの培養系と比較して低濃度ではあるが、in vivoとしては高濃度である数十ng/mlのインスリンによりインスリンレセプターの減少やアディポネクチンの分泌量低下が観察され、インスリン抵抗性状態を反映したin vitroの系の構築が可能であることが判明した。次に、腸間膜内臓脂肪細胞の長期間培養を目的としてハニカム膜上での培養を試みたところ、これまでの4倍以上に相当する40日以上の期間、培養することに成功した。ハニカムの構成成分が人体へ無害であることから、将来的には脂肪萎縮症の治療を目的としたヒトへの脂肪細胞移植技術開発に応用可能であると考えられる。 次に生活習慣病が血中のガングリオシドGM3の含有量へ影響を与えるのか検討した。その結果、高脂血症患者ならびに高度な内臓脂肪型肥満を呈する患者において、血清GM3濃度が上昇する傾向にあることが判った。また今後は、クランプ法によりインスリン抵抗性を評価した患者の血清GM3の測定を行う予定である。インスリン抵抗性を正確に評価することが可能なクランプ法は病院側、患者側共に対しての負担が大きく、将来的にインスリン抵抗性について血中のガングリオシドGM3を用いて評価することが可能であれば、大変有益であると考えられる。
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Research Products
(4 results)