2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラウシェンバーグの1964年世界歴訪-現代美術におけるグローバリゼーションの起源
Project/Area Number |
05J09171
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池上 裕子 大阪大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 現代美術 / グローバリゼーション / アメリカ美術 |
Research Abstract |
本研究は、1960年代におけるロバート・ラウシェンバーグの国際的活動を、現代美術におけるグローバリゼーションの起源として位置づけ、当時アメリカ美術の進出に最も敏感に反応した東京、ストックホルム、ヴェネツィア、パリの4都市との関わりを通して歴史的かつ批判的に検証するものである。以下に本年度の研究実績を列挙する。 1.『美術史』第158冊に「ロバート・ラウシェンバーグの《ゴールド・スタンダード》-現代美術のグローバル化に関する一試論-」を発表する。 2. 5月に大阪大学21世紀COE「インターフェイスの人文学」主催の国際シンポジウム「越境/モダンアート」で発表する。発表題目は「グローバル・アイコンとしての《モノグラム》-ロバート・ラウシェンバーグとモデルナ・ミュジエト、ストックホルム」。近現代美術の越境的な性質について、内外の研究者と意見交換する。 3. 6月〜7月にかけてアメリカ滞在。ニューヨーク近代美術館アーカイヴでカルヴイン・ロムキンス文書、アメリカ美術アーカイヴでアラン・ソロモン文書の調査をしたほか、ワシントン・DCではスミソニアン・アーカイヴでビエンナーレ文書の調査にあたった。上記の調査から、1964年のヴェネツィア・ビエンナーレに関して、未発表の資料を数多く発見することができた。 4. 8月〜9月にかけて、本研究における、ラウシェンバーグとストックホルムの近代美術館の関わりについての章の執筆を終え、大阪大学21世紀COE「インターフェイスの人文学」報告書に発表の予定。 5. 10月にヴェネツィアとミラノに調査旅行に出かける。第51回ヴェネツィア・ビエンナーレを視察するとともに、イタリアの近現代美術に関する資料収集、文献調査を行う。帰国後ヴェネツィアに関する章の第一稿を執筆。 6. 1月にアメリカ滞在。最初の一週間はロサンジェルスのゲッティ財団で調査を行い、二週目はニューヨークでラウシェンバーグの展覧会を視察、また資料収集に努める。
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Research Products
(3 results)