2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の自立支援体制の拡充を目指した社会参加活動の促進とQOLとの関係
Project/Area Number |
05J09216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白井 こころ 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 高齢者 / 生きがい感 / 社会参加活動 / ソーシャル・サポート・ネットワーク / サクセスフル・エイジング / プロダクティブ・エイジング / 主観的幸福感(Subjective Well-being) / 自立 |
Research Abstract |
平成18年度の主な研究実績は、査読論文1本および国内学会での発表2件である。また実践活動として、K市における高齢者の自立支援体制の拡充を目指した、介護予防プロジェクト(食育支援活動部門)の事業実施・調査に参画した。平成18年度は実践と研究活動の融合を目標の一つとしており、高齢者の自立支援体制の拡充について、学術的研究発表と、地域社会における実践活動の両面から研究を進めた。 学術研究発表成果については、社会参加活動の一環としての、シルバー人材センターを通した就業活動が、高齢者の主観的なWell-beingおよび「生きがい感」の維持に関連することを明らかにした。これは、就業活動への参加の多寡とその活動を通した生活の変化の認識の状態が、生きがい感の保持に関連することを述べたものであり、Health and Quality of Life Outcomes誌へ投稿掲載されている。また、当該結果を中心に、"プロダクティブ・エイジングの可能性"について、日本心理学会70回大会において報告を行った。発展的な老いのモデルを提示するプロダクティブ・エイジングの考え方は古くて新しい課題であり、ポジティブ心理学への関心とあわせて、高齢者の社会参加活動と主観的幸福感の関係がプロダクティブ・エイジングの実現に資する可能性について述べた。 また、個人の包括的QOLを考える場合、健康と心理的安寧の状況は、その健康をどう主観的に捉えるかに影響されることが多いが、その関係性の理解を助ける基礎的研究として、主観的健康感に関連する要因について、第17回日本疫学会において発表を行った。これは、個人の疾病の発症や死亡と密接に関係する、主観的健康感について考察を深めると同時に、主観的Well-beingにおける健康にまつわるWell-beingに関連する部分について考えるための研究であった。 他にブータン王国政府の招聘を受けて研究チームに参画している、GNH(Gross National Happiness)プロジェクトは、現行の高齢者の主観的幸福感に関する研究および、自立の概念を基礎に行ってきた研究成果を活用したものであり、本研究プロジェクトの一環として捉えられると考える。
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Research Products
(1 results)