2006 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化による超分子集合体を用いた有機-無機ハイブリッド材料の精密ナノ構造制御
Project/Area Number |
05J09297
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
生越 友樹 金沢大学, 自然科学研究科, 助手
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Keywords | シクロデキストリン / 超分子 / ホスト-ゲスト包接錯体 / カーボンナノチューブ / π共役高分子 / 蛍光分子センサー / 蛍光 / ゾル-ゲル転移 |
Research Abstract |
本研究では、優れた導電性・光学特性を示すπ共役高分子・カーボンナノチューブの自己組織化を利用することにより、分子・ナノレベルでの高次構造制御を行った。第1に、高蛍光高分子であるポリフェニレンエチニレンの側鎖に、疎水性ゲスト化合物を包接するシクロデキストリンを導入した新しい高分子の合成を行い、ゲスト化合物添加によるナノ構造制御を行った。得られた高分子は、水中では主鎖間の会合により緑色発光を示すが、そこに疎水性ゲスト化合物である1-アダマンタンカルボン酸を添加すると、非常に強い青色発光を示した。これは、ゲスト化合物である1-アダマンタンカルボン酸と高分子側鎖のβ-シクロデキストリンとの間で、包接錯体形成が起こり、ポリフェニレンエチニレン主鎖間の解離が促進されたためだと考えられる。一方、疎水性ゲスト化合物でアクセプター分子であるトリニトロベンゼンを得られた高分子水溶液中に添加した場合、蛍光発光は完全に消光した。高分子側鎖のβ-シクトデキストリンとトリニトロベンゼンが包接錯体を形成し、それにより高分子主鎖とトリニトロベンゼンとの電子移動が効率的に起こったためである。このように、シクロデキストリンとゲスト化合物との包接形成により、ポリフェニレンエチニレンのナノレベルでの会合を制御し、それにより蛍光の発光色・傾向強度を制御することができた。第2に、シクロデキストリン被覆カーボンナノチューブの合成を行い、包接錯体形成により、カーボンナノチューブを含んだヒドロゲルの合成に成功した。形成したゲルに、競争ゲストやホストを加えると、ゲルがゾルへと転移する新しいカーボンナノチューブヒドロゲルの合成に成功した。
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Research Products
(2 results)