2005 Fiscal Year Annual Research Report
NK4産生細胞封入マイクロカプセルを用いた膵癌の新規治療法の開発
Project/Area Number |
05J09329
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青柳 靖之 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | NK4 / マイクロカプセル / 細胞封入 |
Research Abstract |
今までに既存の二重ノズル法によりNK4産生細胞封入マイクロカプセル(NK4-MC)作製を行ってきた。従来の方法で作製できるカプセルの大きさは0.3〜1mmであるが、封入した細胞の生存率やNK4の分泌効率、またがん治療を考える上で実際にがん細胞が転移巣を形成しやすい腹膜上の乳斑や抹消門脈などに留置させるにはできるだけ小さいカプセルが適切であることを確認した。そこでシリコンの微細加工技術を応用し直径200μm以下のカプセルを作製することを考案した。 シリコン基盤に直径60μmのアルギン酸通過孔を開け、その両側に空気通過孔を開けたマイクロ二重ノズルを作製した。アルギン酸のみを用いた場合、200μm以下のカプセル作製は可能であったが、細胞を1×10^7 cells/mlで混合した場合には粘稠度にむらが出来たり、細胞が目詰まりする問題が生じ微小なカプセルを作製する事は困難であった。アルギン酸の液滴の遊離を良くする為、アルギン酸が通過する内筒部分を80μm突出させた基盤を作製した。この装置では直径150μmの細胞封入マイクロカプセルを作製する事に成功した。しかしながら生産性や安定性の解決には至っていない。 既存の二重ノズル装置で作製した300μmのNK4-MCを用いて延命治療効果を検討した。ヌードマウス(オス、6週齢)の膵臓に膵がん細胞(2×10^5 cells)を移植し、腹腔内にNK4-MCを70000個投与し延命効果を検討した。コントロール群の平均生存日数は21.4日であったのに対し、NK4-MC投与群では45.9日であり、有意に生存期間を延長させた。この事はマイクロカプセルの改良を進めることでより治療効果を向上させることができると期待される。
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Research Products
(1 results)