2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中に対する再生医療にむけた神経細胞新生の機序の解明と分子イメージング
Project/Area Number |
05J09334
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 勉 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脳虚血 / 神経細胞新生 / 分子イメージング / 転写因子CREB |
Research Abstract |
1.14C-acetateのin vitroでの動態。アストロサイト、初代神経細胞、ミクログリアの各培養系を作成し、acetateの経時変化を検討したところ、acetateは、アストロサイトへの取り込みが優位で、神経細胞は約その5分の1程度で、ミクログリアには殆ど取り込まれなかった。次にこの2次アストロサイト培養系にOGD(oxygen glucose deprivation)を施行した。OGD6時間後をピークにacetateの取り込みが増加し、その後低下した。又、OGD6時間後再酸素化したところ、その取り込みは更に増加した。これらの結果は、アストロサイトが活性化された状態と密接に関係していると考えられる。又、神経細胞-グリア共培養系を作成、神経細胞のシナプス活動がacetateの取り込みに与える影響を検討している。現在、ラット、ヒトにおけるacetate画像と対比しながら、培養系-動物-ヒトと総合した検討を行っている。 2.初代神経細胞培養系におけるCREB-CRE転写活性の動態。OGD後のCRE転写活性の動態をルシフェラーゼアッセイにて検討した。OGD後再酸素化にて、著明にCRE転写活性が亢進した。現在各種adeno化CREB dominant active(DA)、CREB dominant negativeなどを用いた神経細胞保護効果と、神経細胞におけるCREB-CREカスケードの転写活性が、CREB Ser133リン酸化を含め、どの様な因子により決定的に支配されているかを検討中である。 3.虚血後神経細胞新生。海馬新生神経細胞並びに、虚血後の側脳室周囲から線条体にかけて遊走していく幼若神経細胞にて内因性CREB Ser133リン酸化が亢進していることを確認。このためCREB-CREカスケードを薬理学的、adeno化CREB DAを投与し、神経細胞新生が亢進するかどうかを検討している。生理的或いは虚血後海馬においては、PDEIV阻害薬投与による薬理学的CREB-CREカスケードの活性化は、海馬新生神経細胞の生存を亢進した。虚血後の線条体に関しては、BCL2-Tgマウス、CREB dominant activeマウスにて中大脳動脈閉塞モデルを作製し、線状体での細胞新生を検討したが、これらのマウスで線状体での神経細胞新生は亢進していなかった。現在これらのマウスに虚血後、アデノ化した神経栄養因子など併用した検討を行っている。
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