2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋におけるストレス適応から破綻への分子生物学的メカニズムの解明と治療への応用
Project/Area Number |
05J09345
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 修 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 心不全 / 心肥大 / 心筋細胞死 / アポトーシス |
Research Abstract |
(1)Cre-loxPシステムを用いて、Creリコンビナーゼ誘導性にASK1恒常活性体(ASKΔN)を発現するコンストラクトから、ASKΔNトランスジェニックマウスを作成した。同マウスをタモキシフェン誘導性心筋特異的Creリコンビナーゼ発現マウスと交配し、薬剤誘導性活性型ASK1発現マウスを作成した。このマウスはタモキシフェン投与後3日目から活性型ASK1の強発現が認められ投与後2週間以上経過しても発現は持続的に認められた。さらにASK1下流のp38、JNKの活性化も認められた。心臓超音波法による心機能評価においては、左室拡大と左室駆出率の著明な低下を来たしており心機能低下が認められた。組織学的検討において著明な線維化を認めたほか、TUNEL陽性心筋細胞すなわち心筋細胞アポトーシスの増加も確認された。これらの結果はASK1ノックアウトマウスが心不全刺激に対して耐性を有するという以前の結果を裏付けるものであった。以上より心筋細胞における活性型ASK1の発現が心筋細胞死を伴う心臓リモデリングの原因となりうることが明らかとなった。 (2)Two-hybrid法によるASK1結合蛋白質同定を行うためのコンストラクトを作成した。ASK1下流分子ならびに上流分子の同定目的のためのコンストラクトをそれぞれ作成した。 (3)ASK1活性抑制が心不全進展に対する抑制効果を持ちうるのか否かを検討するために、心筋症ハムスターに対して遺伝子導入実験を行うための、ASK1ドミナントネガティブ変異体をアデノウイルス随伴ベクターにクローニングし、ウイルスの増幅ならびに濃縮を行った。
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Research Products
(4 results)