2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚における前後軸形成及び原条・中胚葉形成機構の解明
Project/Area Number |
05J09371
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 正道 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助手
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Keywords | Nodalシグナル / BMPシグナル / 前後軸形成 |
Research Abstract |
マウス発生段階において前後(頭尾)軸形成は重要なボディープランの現象の一つである。前後軸で形成されるのは遠位臓側内胚葉(DVE)が将来の前方へ移動することが重要であり、これまで、このメカニズムをNodalとその阻害因子であるLefty1及びCerberus-relatedの関係により明らかにしてきた。また、このDVEは将来の頭部を誘導することがこれまでの報告により示唆されていることよりDVEの形成は軸形成だけに留まらず、体を制御する頭部を形成するのに重要な役割を果たしていることが示唆されている。しかし、前後軸形成はこのNodalシグナルだけでは説明の付かない現象が多く、新たなシグナルとそのメカニズム解明が重要な問題となっている。 今回、我々はNodalと同じTGFbetaスーパーファミリーに属するBMPシグナルに着目して、前後軸形成とBMPシグナルとの関係をBMP受容体タイプIIの欠損マウスを用いて解析した。この欠損マウスは癌研究所の宮園浩平博士から供与して頂いた。 現在、この欠損マウス杯を用いてBMPシグナルがDVEの形成に重要な役割を果たしていることを明らかにしている。これまでDVEはNodalシグナル関連因子欠損マウスで消失していることより、Nodalシグナルが誘導しているのではないかと考えられていたが、今回の研究によりNodalシグナルだけではなくBMPシグナルがNodalシグナルと協調的に働いていることが明らかになった。 また、これまでNodalシグナルの発現制御はBMPシグナルがその供受容体であるEGF-CFCを誘導することによって制御されていると考えられていた。しかし、今回の研究よりEGF-CFCは二次的な要因でNodalシグナルのポジティブフィードバックループを形成しているFoxh1を制御していることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)