2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09465
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 知克 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | K中間子原子核 / カイラル対称性 / 原子核物理学 |
Research Abstract |
本研究では。K中間子原子核間相互作用を実験的に検証する地上実験を行い、高密度核物質である中性子星コア中でのK中間子凝縮の存在可能性を検証する事を目的としている。実験では飛行(K,N)反応で水(酸素)と炭素標的中にK中間子を導入、散乱陽子の運動量を磁気スペクトロメータで、中性子の飛行時間をプラスチックシンチレーション検出器で測定する事で、原子核中においてK中間子にはたらく引力相互作用の大きさを明らかにする。 平成17年度は、これまでに米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)および高エネルギー加速器研究機構(KEK)において行ったテスト実験の経験を基づき実験セットアップを最適化し、KEK-PS K2ビームラインにおいてデータ収集(KEK-PS E548実験)を行った。科研費により購入した計算機等によりデータ収集系をアップデイトした結果、効率的なデータ収集が可能であったため実験は大きな問題もなく無事終了した。 実験終了後はデータ収集に用いた計算機を流用しデータ解析を行った。九月にはハワイで行われた日米合同の物理学会(HAW05)に参加し(K,n)反応の実験結果を発表し国内外の研究者からコメントをいただいた。また二月にはKEKにおいて共同研究者と解析作業の方向性等について打合わせを行った。そして、三月には愛媛大学において行われる、物理学会では(K,p)反応についても結果を発表した。平成18年度は、解析の結果得られたスペクトルをより詳細に理解するために理論を専門とする共同研究者との綿密な打合わせを行う一方で、成果をまとめて国内外の会議や論文雑誌等に発表していきたい。
|