2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09477
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 敦 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 位相幾何学 / 結び目理論 / 量子不変量 / LG多項式 |
Research Abstract |
結び目は現実に日常のあらゆる場面で現れる。2本のひもを用意し、結び目を二つ作る。このとき、二つの結び目が本質的に同じ結び目であるか、どうかを判定するのに結び目の不変量が用いられる。結び目の不変量とは、結び目に対し数学的な量を対応させる規則のことである。特に、結び目に対し多項式を対応させるとき、この不変量は多項式不変量と呼ばれる。 多項式不変量の中で最も古くから知られていた不変量はアレキサンダー多項式である。この不変量は位相的に見て自然な解釈のできる、したがって位相的性質との関係が数多く明らかになっている古典的な不変量である。一方、ジョーンズ多項式に代表される量子不変量は、結び目不変量の歴史の中では新しい不変量である。量子不変量は一般に組み合わせ的に定義され、したがって位相的性質との関係があまり明らかになっていない。本研究では、量子不変量の一つであるLG多項式について、その位相的性質との関係を明らかにすることが目標である。 本年度に行った研究によって得られた成果は、仮想結び目のアレキサンダー多項式において、そのスケイン関係式がどのようにして定まるかを明らかにしたことである。スケイン関係式とは不変量の局所関係式のことで、不変量の値を求めたり、その性質を知るのに用いられる。また、仮想結び目とは結び目を拡張した概念である。したがって、より一般的な視点から、アレキサンダー多項式の位相的性質をスケイン関係式という組み合わせ的な道具を用いて理解し、扱う道を開いたのである。
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Research Products
(1 results)