2006 Fiscal Year Annual Research Report
水素化物原料を用いた低転位窒化ガリウム単結晶の育成
Project/Area Number |
05J09503
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今出 完 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 窒化ガリウム / 水素化ガリウム / 成長速度 |
Research Abstract |
水素化ガリウム原料を用いた窒化ガリウム単結晶成長法は、装置を汚染する副生成物を生じないため、大型化に向けた長時間の結晶育成が可能である。しかし、結晶の成長速度が2μm/h程度と遅く、大型化を目指す場合、更なる成長速度の増加が課題である。成長速度を増加させるためには、水素化ガリウム原料ガスの供給量を増加させる必要がある。水素化ガリウムは市販されておらず、その製法も確立していないため、本手法ではGaと水素ガスより合成する。今年度は、1.水素化ガリウム原料の供給量増加を目指した、新たな水素化ガリウム原料生成ユニットの開発と、2.水素化ガリウムが安定に存在しうる温度領域の調査を行った。以下、詳細を述べる。 1.新たな水素化ガリウム原料生成ユニットの開発 効率良く水素化ガリウムを合成するためには、Gaと水素ガスの接触面積が広く、接触時間が長い生成ユニットが必要となる。そこで以下に述べる生成ユニットを開発した。セラミックチューブ内に、Gaを吸着させたφ3mm程度のセラミックビーズを充填する。その中に水素ガスを通し、それを1,000℃程度に加熱することでチューブ内で水素化ガリウムを合成する。この生成ユニットを用いて窒化ガリウム結晶成長を行った結果、実用化レベルを超える6μm/という成長速度を達成した。 2.水素化ガリウムが安定に存在しうる温度領域の調査 水素化ガリウムが安定に存在する温度領域を知ることは、結晶品質の向上にむけた育成温度を最適化する上で重要な知見となる。そこで、水素、不活性ガスそれぞれの雰囲気中におけるGaの蒸発速度を比較することで、水素化ガリウムの安定存在温度範域を求めた。その結果、900〜1,150℃の温度額域で水素化ガリウムが存在することが実証された。ここで得られた知見を元に、1,150℃という高温条件において、表面平坦性の良好な窒化ガリウム結晶の作製が可能となった。
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Research Products
(1 results)