2006 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバの非線形性を用いた全光信号処理と光多値通信への応用に関する研究
Project/Area Number |
05J09517
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小田 祥一朗 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光アナログ-ディジタル変換 / 電界吸収型変調器 / スーパーコンティニューム光 / アレイ導波路形回折格子 / 光可変時間遅延線 / スローライト / ソリトン自己周波数シフト |
Research Abstract |
本年度では,超高速光アナログ-ディジタル(AD)変換器の研究及び,光ルーターの実現に必要不可欠な光バッファの研究を行った.得られた研究成果は大きく分けて次の2つである. 1 電界吸収型変調器(EA変調器)は印加する電圧に比例して光を吸収することにより,光の強度変調を行うデバイスである.研究代表者は,EA変調器が持つ電界吸収の波長依存性を利用した光AD変換法を提案した.光ファイバの非線形性を用いてスペクトルを広帯域化した光パルス列をサンプリングパルスとみなし,EA変調器を用いて超高速電気アナログ信号でサンプリングを行う.そのサンプリングされた信号をアレイ導波路形回折格子(AWG)に通すことによってAD変換を実現する.木方法の原理確認実験を行い,25MHz,2ビットのAD変換に成功した.40GHzで動作するEA変調器が商用化されているので,40GHzでの光AD変換は容易に実現することが可能である. 2 異常分散ファイバ中にパルス幅1ps以下の超短パルスを入射した際に発生するソリトン自己周波数シフトを利用した光可変時間遅延線の提案を行った.本方法では,光ファイバに入射する光強度を変化させることにより,パルス1ps以下のパルスを波形歪みなしに時間遅延させることが可能である.原理確認実験を行い,パルス幅約0.5psの超短光パルスを,19ps遅延させることに成功した.得られたパルスの時間波形およびスペクトルに大きな歪みが生じていないことを確認した.1チャネルあたりの伝送速度が160Gbpsを超えるような光通信システムでは,光パルスのパルス幅が1ps以下となることから,このようなシステムにおいて本方法は有効であることが分かる.
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Research Products
(5 results)