2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09552
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 暢伴 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | Co / Pt超格子 / 垂直磁気異方性 / 異方性弾性定数 |
Research Abstract |
本研究では人工超格子の弾性と機能の関係を定量的に明らかにし,両者の関係を説明することのできるモデルを構築することを目的としている.本年度はCo/Pt超格子薄膜の垂直磁気異方性と組成の関係調べ,CoとPtの界面で生じたひずみの垂直磁気異方性に対する寄与を説明することのできるモデルを構築した. 具体的な実験内容は,Co層の膜厚は一定(4Å)で,Pt層の膜厚のみが異なる(2〜20Å)Co/Pt超格子薄膜を超高真空蒸着法で成膜した後,SQUIDを用いて面内方向と面直方向の磁化曲線を測定し,両者の初期磁化曲線によって囲まれる部分の面積から系全体のエネルギーの差K_<eff>を測定した(K_<eff>が大きいほど垂直磁気異方性が強いことを示す).測定結果より,Pt層の膜厚がCo層のそれよりも小さいときはほぼK_<eff>=0で,Pt層の膜厚が大きくなるに連れてK_<eff>は大きくなり,Pt層の膜厚が12Å程度の時に最大となることが分かった. この実験結果を説明すべく,モデル計算を行った.Co/Pt超格子薄膜ではPtの界面における原子間距離がCoのそれに比べて10%以上も大きいため,界面では10^<-2>のオーダーのひずみが生じている.Coは磁わいの効果によって面直磁化になると面内方向の原子間距離が大きくなる.従って,磁わいを介して界面でのひずみを緩和するために垂直磁気異方性が生じていると考えられる.そこで,面内磁化から面直磁化に変化することで生じるひずみエネルギーの低下をモデル計算したところ,原子間ポテンシャルを用いて弾性定数のひずみ依存性を考慮したモデルにおいて実験値と同様のピークが見られた.この結果より,垂直磁気異方性はひずみエネルギーの変化だけで説明することができることが明らかとなった.また,垂直磁気異方性には性定数のひずみ依存性が重要な役割を担っていることも示された.
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Research Products
(2 results)