2005 Fiscal Year Annual Research Report
カイラル有効模型に基づいたハドロン間相互作用とエキゾチックな励起状態の研究
Project/Area Number |
05J09596
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
兵藤 哲雄 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハドロン分光学 / エキゾチック状態 |
Research Abstract |
エキゾチック励起状態の構造を明らかにし、低エネルギーQCDの理解を深めるために以下の研究を行った。 1、これまでの研究で我々が明らかにしたΘ+を含むエキゾチック状態のフレーバー表現の枠組みをもとに、Θ+の2メソン結合を表現混合が起こる場合や、異なる量子数を持つ場合に拡張して評価した。ここで得られた従来の一般的な結合を用いて、Θ+のメソン入射生成反応を計算し、内部構造が実験でどのような観測量に反映されるかを明らかにした。現在稼働中のKEKの実験結果と組み合わせることで、内部構造について知見を得ることが出来る。 2、Λ(1520)とベクトルK中間子、核子の間の結合定数をカイラルユニタリー法で評価した。Λ(1520)はこれまで3クォーク状態として理解されてきたが、最近メソンとバリオンの束縛状態として記述する研究が活発に行われている。各々の状態を記述する模型を用意し、同じ結合定数を評価してみると、3クォーク状態とメソンバリオン状態で大きく異なる結果を得た。この結合定数は崩壊実験で直接観測は出来ないが、反応計算と実験を組み合わせることで調べられる可能性があり、この粒子の内部構造に関して知見を得ることができる。Θ+のようにあからさまにエキゾチックな状態以外の、これまで知られていた状態の中に含まれる5クォークの成分を引き出すことができる。 これらの研究結果は国際会議PANIC05(米国)、PENTA05(米国)、HNP06(奈良)HFDO06(京都)や日本物理学会(日米合同、ハワイ)などで発表され、関連する分野の研究者と議論を行った。
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Research Products
(4 results)