2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09623
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東松 逸朗 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シクロデキストリン / 分子認識 / 包接錯体 / 高分子 / 光応答性 / ゲル / 超分子 |
Research Abstract |
ポリアクリル酸p(AA)の側鎖に疎水的なドデシル基を適切な割合で導入したポリマーの作る物理ゲルにシクロデキストリン(CD)を添加すると、ドデシル基とCDが包接錯体を形成しゾル状態になった。このゾルに競争ゲストとしてアゾベンゼン誘導体を添加することで、CDは優先的にアゾベンゼンと包接錯体を形成し、溶液は再びゲル状態となった。またアゾベンゼンを光異性化させると溶液は再びゾルになった。これらの変化は包接錯体の会合定数により説明された。また、酸化還元に応答するフェロセン誘導体を競争ゲストに用いることで、酸化剤に応答し溶液の粘性が変化する系を構築した。 刺激に応答する側鎖との相互作用についても調べた。p(AA)の側鎖にC_6,C_<12>のアルキル基を介してアゾベンゼンを導入したポリマー(pC_6Azo,pC_<12>Azo)とCDとの相互作用をUV、NMRによって調べ、更に、pC_<12>Azoとそれぞれ3-位および6-位でp(AA)に修飾したCDポリマー(p3αCD,p6αCD)との相互作用をUV,NMR,粘度測定により調べた。その結果、pC_<12>Azo/p3αCD混合系とpC_<12>Azo/p3αCD混合系では溶液の粘度に違いが見られ、その違いはアゾベンゼン部位とCD部位との会合定数によって説明することが出来た。UV光の照射によるアゾベンゼン部位の光異性化の影響を調べた結果、pC_<12>Azo/p3αCD混合系では包接錯体が解離し、pC_<12>Azo/p6αCD混合系では側鎖間でロタキサン構造が形成されることが分かった。更に、その違いは、粘度の減少および増加と、対照的な変化をもたらすことが分かった。
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Research Products
(4 results)