2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09623
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東松 逸朗 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 超分子 / 液晶 / 相互作用 / 組織化重合 |
Research Abstract |
本年度は超分子による機能性材料の開発に関する研究を主に行った。液晶性を示すことが知られている円盤状の化合物を化学的に修飾することにより、より付加価値の高い材料を作成することを目標とした。本研究で着目した円盤状の化合物はベンゼントリカルボン酸アミドで、この化合物は円盤が積み重なるように柱状の超分子を形成し液晶性を示すことが知られている。本研究では、その3本の側鎖に当たる部分に二次的な超分子形成が可能となるようにカルボン酸を導入し、そのカルボン酸と系に加えたアミンとの相互作用を調べた。カルボン酸の導入量とその液晶性との関係を調べた結果、カルボン酸を1分子当たり2つ以上導入すると超分子形成による液晶性を示さないことがわかった。これは側鎖に導入したカルボン酸が主鎖を形成すべきアミド結合間の水素結合を阻害するためであることが分かった。 液晶性を示すことがわかった1分子当たり1つのカルボン酸を導入した円盤状分子と多数のアミノ基を有するポリプロピレンデンドリマーとを相互作用について調べた結果、側鎖同士の相互作用によって液晶の安定性が向上することが分かった。またその構造をX線回折により調べた結果、特異な超格子を有していることが分かった。 超分子形成によって得られる構造を安定化させるため、側鎖部分に重合基を導入し、超分子を形成している条件下、重合反応を行った。重合反応によって超分子構造は大きく変化しないものの、その熱的安定性は大きく向上することがわかった。 また、さらなる機能化のために側鎖部分に分子認識能を有するシクロデキストリンを導入することも試みた。
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Research Products
(3 results)