2006 Fiscal Year Annual Research Report
金/磁性酸化鉄複合ナノ粒子を用いた一塩基多型DNAの目視検出とスクリーニング
Project/Area Number |
05J09645
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 卓也 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 金 / 磁性酸化鉄 / 磁気分離 / 生体分子 / スクリーニング |
Research Abstract |
金と磁性酸化鉄から成る複合ナノ粒子を放射線および超音波を用いて合成した。合成法として、これまで用いてきたガンマ線と超音波に加え、電子線による合成方法を開発した。一般に、溶液中での金属イオンの還元反応による金属ナノ粒子の合成において、微小かつ均一な粒径の粒子を得るには、還元反応を可能な限り短時間で終了させ、粒成長の機会を低減する事が重要である。ガンマ線照射と比較して桁違いに高い線量率が得られ、また反応時間が数時間から数十秒と短くなるので、粒径3〜4nmのより微小な金粒子が得られた。また酸化鉄表面における金粒子の密度がガンマ線や超音波による場合と比較して高いことがわかった。この粒子への生体分子吸着の評価として17種の混合アミノ酸の吸着試験を行ったところ、硫黄を分子内に含むシスチンとメチオニンが特異的に、しかも単位質量当たりでガンマ線合成粒子よりも多く、吸着していることがわかった。これは粒子が微細化したことにより吸着表面積が増えたためだと考えられる。また、これまでに複合ナノ粒子にプローブDNAを結合させ、これを用いて相補鎖DNAを分離することに成功しているが、反応時間のさらなる短縮化を試みたところ、30分間の反応を行えば数時間以上の反応とほぼ同程度の検出が得られること、それ以上短縮すると効率は落ちてくるが、数分でも7〜8割の効率を示すことがわかった。これらの結果は、この金/磁性酸化鉄複合ナノ粒子が生体分子の単離やプロービングに有望な材料であることを示している。
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