2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属電析反応と電気化学振動とのカップリングによるナノ秩序構造形成法の開拓
Project/Area Number |
05J09682
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深見 一弘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自己組織化 / ナノ構造 / 電気化学 / 非線形化学 |
Research Abstract |
電気化学振動現象は分子系の動的な自己組織化現象の一つの表れであり、電極表面上に自発的に時空間パターンを形成することが知られている。このような自発的に形成される時空間パターンは自己組織化を利用した材料創成の観点から非常に興味深い現象である。これまでに、我々は自発的な振動現象を伴うスズ(Sn)の電析反応(振動電析反応)において、高度に規則化した格子状の3次元微細周期構造が自己組織化形成されることを見出してきた。この知見を元に、本研究において振動電析反応の一般性や、それにより自己組織化形成する微細周期構造の構造変調について検討を行った。 振動電析反応は、既に我々により報告されているSnの電析以外にもZnやPbで観測されることを新たに見出した。そこで、Znの振動電析反応に焦点を当てて、その機構の一般性を明らかにすることに成功した。これにより様々な金属電析反応において微細周期構造を自己組織化形成できることを示すことが出来た。 また、Snの振動電析反応により自己組織化形成する格子状の微細周期構造について更に詳しく検討を行い、振動電析反応時に観測される周期的な電位振動が設定電流や溶液の濃度などにより変調可能であることが明らかとなった。さらに、電位振動が変調できたことから同時に自己組織化形成される微細周期構造も変調できることが明らかとなり、本手法による微細構造形成法の制御性を確立することに成功した。 更に、自己組織化現象の現われである電気化学振動現象の基礎的な理解のために、電極触媒系で自発的に現れる時空間パターンについても検討を行い、2つの振動子のカップリング挙動を同位相や逆位相というようにコントロールできることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)