2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型one-pot反応系の構築を目指した新規不均一系触媒の開発
Project/Area Number |
05J09687
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本倉 健 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | one-pot反応 / 不均一系触媒 / ハイドロタルサイト / α-アルキル化反応 / 固体塩基触媒 / パラジウム / ロジウム / フェニルホウ酸 |
Research Abstract |
本申請研究では、環境調和型one-pot反応系を可能とする層状粘土鉱物の特性を生かした新規不均一系触媒の開発を目的としている。one-pot合成は従来の多段階を要する合成法と比べ、中間体の単離の手間を省き、試剤、反応時間、エネルギー等を最小にすることができるため、効率的な化学プロセスの開発に極めて有効な手法である。 平成18年度の研究は、アルキル化ニトリル化合物のカルボニル化合物からのone-pot合成に高い活性を示す、Pd表面固定化ハイドロタルサイト(Pd/HT)触媒の開発を行い、様々な分光学的手法を用いて表面活性種の構造解析を行った。また、本Pd/HT触媒はニトリル化合物のone-potでのダブルアルキル化反応のきわめて高い活性を示すことを見出した(Chemistry-A European Journal, in press)。 さらに、ハイドロタルサイト表面に単核・3価のRh種を固定した、Rh表面固定化ハイドロタルサイト(Rh/HT)の開発にも成功した。Rh/HT触媒はフェニルホウ酸の不飽和カルボニル化合物への1,4-付加反応を極めて迅速に進行させる不均一系触媒となる。また、ハイドロタルサイト表面塩基点とRh種の蝕媒作用を協奏的に組み合わせることで、one-potでアルドール反応と上記の1,4-付加反応を進行させることができ、アミノ酸原料である2-シアノ-3,3'-ジフェニルプロピオン酸エチルが高収率で得られることを見出した(Tetrahedron Letters,2006,47,5083)。
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