2005 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子遺伝子導入によるES細胞からのインスリン産生細胞の分化誘導の研究
Project/Area Number |
05J09752
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 早月 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ES細胞 / 転写因子 / インスリン / 再生 / ベータ細胞 |
Research Abstract |
1、我々は以前、膵臓の分化に必要不可欠な転写因子として知られているpdx-1という転写因子を強制発現させる事でES細胞を効率良くインスリン産生細胞へ分化させることに成功した。しかし、得られた細胞においてグルコース応答性は確認できず、移植実験においても糖尿病が是正されることはなかった。今まで内胚葉系の細胞を分化誘導する事は困難とされてきたが、最近の報告からアクチビンやレチノイン酸処理が内胚葉系への分化誘導に有効であると分かってきた。そこで、pdx-1を発現制御できるES細胞を、まず内胚葉系へ分化誘導することでより自然な分化に近づけ、より成熟した膵ベータ細胞を大量に単離しようと考えた。まず、pdx-1発現制御ES細胞の親株であるEB3を用い、Activin Aやレチノイン酸存在下で分化誘導を行ったが、ほとんどの細胞は死滅し、さらなる解析は困難であることが分かった。そこで、次に別の内胚葉系細胞への分化誘導方法であるSFO3培地を用いた培養を行い検討したところ、特定の条件下である程度分化誘導可能なことが分かった。 2、さらにpdx-1を全身で発現制御できるマウスも作製し、in vivoにおける膵再生の研究も進めている。経総胆管投与法を用いてベータ細胞への分化に関係すると考えられる転写因子や増殖因子(IGF-1やp48、isl-1など)を発現するアデノウイルスベクターをマウスの膵臓へ導入し、pdx-1の発現誘導と組み合わせることでベータ細胞が効率的に再生されるか検討した。アデノウイルスベクター導入後に出現するductal complexの出現頻度を主に解析したところ、コントロール群に比べisl-1投与群で、かつpdx-1を発現誘導したマウスにおいて有意にductal complexの占める割合やインスリン陽性クラスター数が増加した。
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Research Products
(1 results)