2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09766
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
磯谷 綾子 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 生殖細胞 / 性分化 / 性染色体 / 遺伝子改変動物 / 精原細胞 / DNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
平成17年度は、精巣内で雄の生殖細胞として分化したXX型プロ精原細胞とXY型プロ精原細胞の違いについて、検証した。 XXの性染色体の組み合わせをもつ個体は通常、雌になるが、その生殖細胞は始原生殖細胞の時に精巣環境にさらされると、父型のインプリンティングを獲得する、雄の生殖細胞(プロ精原細胞)に分化することができる。しかしながら、プロ精原細胞に分化したXX型生殖細胞は誕生後すぐに消滅してしまうことが雌雄キメラの実験によって分かっていた。そこで、XX型プロ精原細胞は誕生までは正常に分化しているように見えるが、なぜ、誕生後に消滅するのかを、XY型プロ精原細胞との違いを比較することによって検討した。通常、XY型プロ精原細胞は胎児期に細胞分裂を休止した状態にあるが、誕生後に細胞分裂を再開して増殖を始める。しかし、BrdU投与の実験によって、XX型プロ精原細胞では誕生後に細胞分裂を再開していないことが明らかになった。また、なぜ、XX型プロ精原細胞は細胞分裂を再開しないのかということを調べるために、DNAマイクロアレイを用いて、XY型プロ精原細胞との遺伝子発現の違いを調べたところ、有意に差があると示された遺伝子が多数、あることが分かり、RT-PCRによって顕著な差が見られた遺伝子(Estを含む)が11個見つかった。 次年度はこれら、XX型プロ精原細胞とXY型プロ精原細胞との間で顕著に差が見られた遺伝子について、プロ精原細胞の誕生後の増殖との関係を明らかにしたい。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Comparison of Gene Expression in Male and Female Mouse Blastocysts Revealed Imprinting of the X-Linked Gene, Rhox5/Pem, at Preimplantation Stages.2006
Author(s)
Kobayashi S, Ishotani A, Mise N, Yamamoto M, Fujihara Y, Kaseda K, Nakanishi T, Ikawa M, Hamada H, Abe K, Okabe M.
-
Journal Title
Current Biology 16(2)
Pages: 166-172
-
[Journal Article] HANP1/H1T2, a Novel Histone H1-Like Protein Involved in Nuclear Formation and Sperm Fertility.2005
Author(s)
Tanaka H, Iguchi N, Isotani A, Kitamura K, Toyama Y, Matsuoka Y, Onishi M, Masai K, Maekawa M, Toshimori K, Okabe M, Nishimune Y.
-
Journal Title
MOLECULAR AND CELLULAR BIOLOGY 25(16)
Pages: 7107-7119