2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09822
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢部 俊樹 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 葉緑体 / 鉄硫黄クラスター / 鉄硫黄蛋白質 / 光化学系 / フェレドキシン |
Research Abstract |
本研究では、葉緑体局在型CnfU蛋白質や,その他の鉄硫黄クラスター生合成に関わる蛋白因子の立体構造を,X線結晶構造解析を中心にして明らかにし,これを通して,高等植物におけ鉄硫黄クラスター形成機構を分子レベルで明らかにすることを目的とする.またシロイヌナズナをモデル生物として用い,T-DNAがゲノムに挿入された変異株を用いた分子遺伝学的解析,植物体から単離した葉緑体や組み替え蛋白質を用いた生化学的解析,これらの解析を通して,高等植物における鉄硫黄クラスター形成機構を細胞レベル・個体レベルで理解することを目的とする. 本年度は,葉緑体局在型CnfUの生化学的・物理学的解析,葉緑体局在型CnfU精製蛋白質の結晶化と立体構造解析,AtCnfU-Vとフェレドキシンの反応中間体の作製と結晶化,Hcf101精製蛋白質の結晶化と生化学的・物理学的解析を進めた.CnfU蛋白質の結晶化に成功し,大型放射光施設(Spring-8)にて測定を行い,データ収集を行った.得られたデータより蛋白質の立体構造のモデル構築に成功した.加えてSpring-8にてX線吸収分光法による解析を行い,CnfUに保持されている鉄硫黄クラスターの構造情報に関する知見も得られた.生理学的解析では,CnfU変異株において,IscAホモログの発現に影響があるという知見が得られた.IscAホモログは鉄硫黄クラスターのもう一つの足場蛋白質と考えられており,CnfUとの機能的な相互作用があるのではないかと推察された.得られた研究成果を日本生化学会,Fe-S proteins : Biogenesis, Structure and Function (米国), Gordon Research Conference (米国),論文にて発表を行った.
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Research Products
(2 results)