2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09823
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
王 暁東 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 後肢懸垂 / 速筋化 / 筋線維タイプ / 衛星細胞 |
Research Abstract |
抗重力筋活動の抑制によって起こるヒラメ筋の萎縮や速筋化のメカニズム解明に迫ることを目的とし、後肢懸垂によって速筋化が誘発されたヒラメ筋における各種タンパク質の発現パターンをWistar (W)系およびWistar Hannover (WH)系ラットで比較した。本年度は特に、ヒラメ筋の全筋横断面における筋線維タイプ分布および腱から腱までの全単二筋線維における各種の分析を行った。 ヒラメ筋の絶対重量減少の程度はWよりもWH系ラットが大きかった。実験前とコントロール群の両種ラットにおけるタイプIおよびタイプI+IIミオシン重鎖発現を示す筋線維の分布パターンはほぼ同じであったが、タイプIIミオシン重鎖発現を示す筋線維の分布は、W系ラットのコントロール群では発育に伴い有意に減少した。後肢懸垂群ではWH系ラットヒラメ筋のタイプI筋線維分布が実験前やコントロール群と比べ減少したが、タイプI+IIおよびタイプII筋線維の分布は増加した。一方、W系ラットの後肢懸垂群ではタイプI筋線維の分布は実験前群に比べ変化は認められなかったが、同週齢のコントロール群と比べで有意に低値であった。タイプI+II筋線維の分布は、実験前およびコントロール群に比べ増加する傾向が見られたが、タイプII筋線維の分布は実験前群と同じく、同週齢のコントロール群より増加する傾向が認められた。後肢懸垂の有無にかかわらず、両種ラットのヒラメ筋筋線維長とサルコメア数には有意な変化は認められなかった。WH系ラットのコントロール群では横断面積および筋核数が16日間に増大したが、懸垂群では有意に減少した。W系ラットにおいても同じ変化が認められ、変化度はWH系ラットに比べてマイナーであった。個々の核が支配する細胞質容積には、両種の懸垂群ラットにおける共に減少した。本研究では両種ラットにおけるコントロール群には16日間の発育に伴う衛星細胞数の変化は認められなかったが、懸垂により休止期および分裂期の衛生細胞は共に有意に減少した。ところが、全単一筋線維における分裂期および全体衛星細胞の絶対数は、WH系ラットに比べ、W系ラットの方が多く、衛星細胞の形成または付着にはラット種の差異による影響があることが示唆された。
|