2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05J09823
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
王 暁東 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒラメ筋 / 後肢懸垂 / 速筋化 / プロテオミクス |
Research Abstract |
5週齢のWistarおよびWistar Hannover系ラットにおける16日間の後肢懸垂後、ヒラメ筋における全単一筋繊維特性の分析および全筋におけるプロテオミクス解析を行った。 摘出した右ヒラメ筋を筋腹付近の連続横断切片を作成し、特異的な抗体を用いた染色を行い、筋繊維タイプ分布を調べた。左ヒラメ筋は筋繊維走行に沿って1/2ほどに裂き、培地中でインキュベーションした後、腱から腱までの全単一筋繊維を単離し、全単一筋繊維の特性分析を行った。左ヒラメ筋の残りをホモジナイズし、可溶部および不溶部に分け、2次元電気泳動を行った。プロテオミクス解析では、ゲルスポット濃度の定量的比較を行い、変化のあったスポットを切り出し、質量分析計を用いた蛋白質種の同定も行った。 その結果、Wistar Hannover系ラットでは、後肢懸垂によって誘発される速筋化の程度が顕著であっただけでなく、筋萎縮度もWistar系ラットに比べ大きかった。後肢懸垂に伴う筋繊維長の変化はなかったが、単一筋繊維における横断面積、筋核数の減少度もWistar Hnnover系ラットの方が大であった。また、プロテオミクス解析の結果、後肢懸垂による影響のみならず、コントロール群においてもWistarおよびWistar Hannver系ラットではスポット発現パターンが異なり、種によってタンパク質発現に顕著な違いがあることが明らかとなった。これらの差がどのようなメカニズムで後肢懸垂に対する可塑性の違いを左右するのか詳細は不明であるが、Wistar Hannover系ラットヒラメ筋では速筋化誘発に関連するタンパク質が抗重力筋活動抑制に反応しやすい可能性が示唆された。
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