2006 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス帝国における世界大戦の記憶とナショナリズムの比較研究
Project/Area Number |
05J09828
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
津田 博司 大阪大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イギリス帝国史 / 世界大戦 / 植民地ナショナリズム / 戦没者追悼 / イギリス:カナダ:オーストラリア |
Research Abstract |
今年度は、イギリスとオーストラリアにおける史料調査を中心として、研究活動を行った。 イギリスでは、大戦間期から戦後の休戦記念日における追悼活動を中心に、ロンドンで史料調査を行った。大映図書館が所蔵する英国在郷軍人会(British Legion)の内部史料からは、同団体がイギリス本国での追悼活動を主導するのに加えて、イギリス帝国内の在郷軍人団体の連合であるBritish Empire Service Leagueのネットワークを通じて、11月11日を帝国共通の戦争記念日とする運動を行っていたことが確認できた。 オーストラリアでは、ヴェトナム戦争期の社会変動のなかでアンザック神話がたどった変化に着目しながら、キャンベラのオーストラリア国立大学に滞在して史料調査を行った。両世界大戦と比較すると、ヴェトナム戦争期に関する歴史学的な研究は少ないが、オーストラリア戦争記念館などには多くの1次史料が所蔵されており、通時的な分析に重要な新聞記事については、それらをデジタル画像として保存・収集することができた。 成果発表については、上記の調査と前年度のカナダに関する知見を総合して、別表の雑誌論文として発表した。学会発表としては、日本西洋史学会第56回大会(2006年5月14日千葉大学にて開催、論題は"イギリス帝国における植民地ナショナリズムと世界大戦の記憶")、京都大学文学部社会学研究室がフィンランドのユワスクラ大学(Jyvaskyla University)から研究者を招聘した国際シンポジウム"The East the Idea of Europe"(2006年5月25日京と大学)にて開催、論題は"Whiteness of the Fallen : War Commemoration and Boundary of the Nation in Australia")で報告を行った。
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Research Products
(1 results)