2005 Fiscal Year Annual Research Report
近・現代廃棄物処理システムの形成・変容過程とその多面的展開
Project/Area Number |
05J09829
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波江 彰彦 大阪大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 廃棄物 / 廃棄物の発生・排出 / 廃棄物の管理 / ごみ / PLS回帰分析 / 大阪市 / 大都市 |
Research Abstract |
本年度は、主に大阪市を事例として、大都市における廃棄物の発生と管理に関する研究を行った。廃棄物の発生に関しては、大阪市における1人あたりごみ量の地域差に着目して、このような差異に影響を及ぼす要因を明らかにし、地域特性とごみ量の関係について考察した。分析においては、この研究領域ではほとんど用いられることのなかったPLS回帰分析を援用することによって、従来の分析手法の欠点を克服し、分析モデルの高い説明力と既往研究では指摘されてこなかった新たな知見を得ることができた。また、複数時点の分析・比較を行うことによって、地域特性とごみ量の関係の時系列変化をとらえることもできた。 一方、廃棄物の管理に関しては、近代以降の大阪市における廃棄物管理の発展と変容について、各種資料・統計・新聞等を調査・分析して追究した。また、東京、名古屋、札幌などの大都市における廃棄物管理との比較を、資料レベルで行った。こうした作業を通じて、近代以降の大都市の発展過程において、生産・消費局面と比べ看過されがちであった廃棄局面の歴史に対する理解を深めることができた。 さらに、廃棄物の発生・管理の両面に関して、大阪市環境事業局への聞き取り調査を実施し、統計や資料の分析ではとらえられない知見を得た。 なお、上記研究に関連した研究発表を2件行った。詳細は次のとおりである。 ・波江彰彦(2005)「大阪市におけるごみ管理システムの発展と変容」、経済地理学会関西支部4月例会(於 関西大学100周年記念会館 4月23日)。(抄録は、『経済地理学年報』51(2)、48-49頁) ・波江彰彦(2005)「戦後の大阪市におけるごみ量の変動と地域差」、人文地理学会大会(於 九州大学 11月13日)。(抄録は、『人文地理学会大会研究発表要旨』、88-89頁)
|