2006 Fiscal Year Annual Research Report
超低速分子イオンを用いた極浅不純物ドープ層のサブナノレベル深さ分析
Project/Area Number |
05J09876
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
文後 卓也 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低速イオン / スパッタ深さ分析 / オージェ電子分光法 / 深さ分解能 / スパッタリング収率 / 選択スパッタリング / GaAs / AlAs超格子標準試料 |
Research Abstract |
本研究では,超低速イオンと固体表面との相互作用を明らかにするとともに,得られた知見をもとにして,サブナノレベルの深さ分解能での半導体デバイスのスパッタ深さ分析技術の確立を目指している.昨年度は,100-1000eVのAr^+イオンをGaAs/AlAs超格子標準試料へ照射してオージェ電子分光法(AES)深さ分析を行い,入射エネルギーの低下に伴い深さ分解能が入射エネルギーの1/2乗に比例して向上すること,100eVではAlAs層でのAsの選択スパッタリングとGaAs層とAlAs層のエッチングレートの違いによって分解能が劣化することなどを明らかにした.本年度は低速イオン照射において深さ分解能を左右する要因であるエッチングレートに注目し,エッチングレートが深さ分析へ与える影響について750eVのAr^+イオンを用いて調べた.得られた知見は以下の通りである. 1.GaAs/AlAs超格子試料の深さ分析ではAlAS層において酸素の吸着が見られる.GaAs層では酸素吸着は見られず,この酸素吸着がAlAs層のエッチングレートがGaAs層より小さい要因の一つと考えられる. 2.AESスパッタ深さ分析はイオン照射によるスパッタエッチングとAES測定を交互に行うが,一回のイオン照射時間が短いほどAlAs層での酸素吸着量が多い傾向がある. 3.一回のAES測定時間が長いほどAlAs層への酸素吸着量が多く,GaAS層に対するAlAs層のエッチングレートが小さくなる.これはAES測定中の酸素吸着が深さ分析へ影響を与えることを示している. 4.750eVのAr^+照射では深さ分析分解能はエッチングレートに依らず一定である.しかしながらスパッタ時間からスパッタ深さへの換算においてエッチングレートの変化は深さスケールの誤差の原因となり,その大きさは30%にも及ぶ.
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Research Products
(1 results)