2005 Fiscal Year Annual Research Report
発言意図抽出によるオンラインコミュニティの発想促進支援システム
Project/Area Number |
05J09881
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西原 陽子 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 発言意図 / 助詞助動詞 / 発想促進支援 / 人間関係 / 議論支援 |
Research Abstract |
本年度は発言意図を抽出するシステムを作成し,それの評価実験を行い,作成したシステムの妥当性を検証した.発言意図の抽出は発言に含まれる日本語の助詞助動詞の意味の組合せから行っている.この手法は従来より使われている手法であるが,本研究ではより広い範囲に適用できるように意図と助詞助動詞の組合せを新しく作成している.範囲を広げたために発言一つ一つの推定精度は従来手法に比べ若干低くなったが,目標とする発想促進支援システムには十分な精度が得られた.助詞助動詞は日本語辞書大辞林に掲載されているもの全てを使用しており,信頼性の高い推定手法となっている.提案手法の利点は機械学習を使用していないため,大量の正解データを必要としないことがある.機械学習を用いると推定精度は高くなるが,システムを構築するまでに多くの時間が必要となる.また,発話意図は個人の主観にも大きく依存し,正解データは得にくい.その点で提案手法は少ない労力で意図推定を行うシステムができ,有効な手法といえる.また,推定した発言意図を用いて人間関係の仲の良さを推定できることを発見した.仲の良さを推定する手法では2人の人間が交わした発言の意図を推定し,意図の種類数から仲の良さを推定する.実験によって提案手法の妥当性を確認したところ,2人の仲のよさは発言数とは必ずしも関係ないことが分かり,発話意図の種類数を掛け合わせた値が2人の仲の良さを表すのに最も最適であることが分かった.3件の研究会で本研究の成果を報告した.議論の結果,提案手法が情報のフィルタリングや人間のマネジメントシステムにも応用できることが分かった.今年度の課題は達成できた.
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