2006 Fiscal Year Annual Research Report
発現意図 抽出によるオンラインコミュニティの発想促進支援システム
Project/Area Number |
05J09881
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西原 陽子 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 仲の良さ / 上下関係 / 発話意図 / オンラインコミュニティ / 発想支援 |
Research Abstract |
本年度は人間の発話文から,仲の良さと上下関係を推定するシステムを作成した.システムは昨年開発した発話意図を抽出するシステムを用いており,会話に含まれる発話文から発話意図を同定し,仲の良さと上下関係の推定に用いている.提案手法では仲の良さを発話意図の種類数の積から推定する.また,上下関係は命令や禁止を表す意図の割合から算出する. 従来手法では仲の良さを発話量に関係があるとされているが,対象とするオンラインコミュニティにおける会話では必ずしも成り立たず,提案手法による推定が最も安定することを確認した.また,従来手法では上下関係は敬語の割合に関係があるとされているが,対象とするオンラインコミュニティでは多くの人間がです,ます調で会話をするため従来手法では上下関係の推定は難しい.提案手法は敬語の使用という表面上の違いから上下関係を推定するのではなく,意図の違いという表面には現れにくい特徴から上下関係を推定するという特徴がある.これによって安定した推定が可能になった. 本研究の目的は発想支援であるため,他人がどのようなことを考えているかを認識することが重要になる.加えて,オンラインコミュニティに集う人間関係がどのようになっているかを知ることで,コミュニティの中の小さなコミュニティにおいて交わされている情報を特定することも可能となる.以上より,今年度の目標は達成できたと考えられる.
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