2006 Fiscal Year Annual Research Report
立体選択的分子内ハロアミノ化反応の開発とその天然物合成への応用
Project/Area Number |
05J09908
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 健一 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Intramolexular Haloamination / Asymmetric Desymmetlization / Natural Products / Aminal / Imidazoline / Multicomponent reaction |
Research Abstract |
私は、分子内ハロアミノ化反応の検討の課程においてアルデヒドとジアミン由来のアミナールの興味深い反応を見出し、これについて引き続き研究を行っている。昨年度はアルデヒド由来アミナールをNBSと反応させることで、アミナールを酸化し、イミダゾリンが得られることを見出した。イミダゾリンは多くの生理活性化合物中に見られる重要な骨格である。本法はアルデヒドとジアミンからイミダゾリンを得る初めての方法であり、従来のエステルやニトリルを原料として用いるものに比べ温和な条件下で行うことができる優れた手法である。本年度は、本法をより実用的な反応へと拡張するために、様々な基質に適用を試み、その適用範囲を広げることに成功した。また、溶媒として塩化メチレンを用いていたが環境に配慮した反応へと改善するために溶媒の検討を行い代替溶媒としてtert-ブチルメチルエーテルが使用できることを見出した。 一方、アミナールはアルデヒドとジアミンの組み合わせによってイミン体との平衡状態にある。アミナールと良く似た構造を持つ汗タールや単純イミンへの求核反応は広く研究されている。そこで、アミナールと求核種との反応に興味をもち検討した結果、求核種としてβケトエステルを用いることで新規な3成分反応が起こることを見出した。すなわち本反応によって、芳香族アルデヒドとエチレンジアミンとβケトエステルが縮合しエバミノエステルを持つ[1,4]アゼパン骨格を持つ化合物が得られる。一般にβケトエステルは従来α位での反応性が高いが、本反応はβケトエステルがγ位で反応した珍しい、興味深い反応であるといえる。本反応における生成物はさまざまな官能基変換が可能であり医薬品合成など様々な誘導体合成に適している。
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Research Products
(2 results)