2005 Fiscal Year Annual Research Report
立体選択的分子内ハロアミノ化反応の開発とその天然物合成への応用
Project/Area Number |
05J09908
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 健一 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Intramolecular Haloamination / Asymmetric Desymmetlization / Natural Products / Aminal / Imidazoline |
Research Abstract |
現在までにシクロヘキサジエンアルデヒドと光学活性C_2対称ジアミン由来のジエンアミナールの分子内ハロアミノ化反応により、ジエンの非対称化を伴う複数の反応を経ることで、多数の不斉中心を持つ含窒素化合物が一気に得られることを見出している。この化合物は、官能基変換が容易な二重結合やプロモ基を有しているため天然物合成のキラルシントンとして大変有用である。このキラルシントンを利用することで、生物活性アルカロイドの一種であるγ-lycoraneの合成に応用した。 また、分子内ハロアミノ化反応の検討の際、アルデヒド由来アミナールをNBSと反応させるとアミナールが酸化され、イミダゾリンが得られることを見出した。イミダゾリンはその骨格を持つ医薬品もあり生物活性的に興味深く、またイミダゾールなどの合成中間体としても有用である。これまでイミダゾリンの主な合成法はニトリルやエステルを原料として用いるものが知られているが強酸や高熱を必要としたり、ニトリル化合物の調整には有毒なNaCNなどを用いなければならないなどの問題があった。今回見出したアミナールからのイミダゾリンの合成法は従来の問題点を解決する新たな手法になると考えて詳細に検討した。その結果、本法は中性条件下、室温付近で行える穏和な方法であり、脂肪族および芳香族いずれのアルデヒドにも適用可能で、エステルやニトリルをはじめ種々の官能基が存在しても行える優れた手法であることを明らかとした。
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Research Products
(3 results)