2005 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース合成酵素複合体(ロゼット)の全構成蛋白質の遺伝子同定及び機能の解析
Project/Area Number |
05J09948
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 聡志 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物 / セルロース / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
私はアズキ芽生え上胚軸を材料とし、セルロース合成酵素複合体と考えられている巨大な膜蛋白質複合体、ロゼットの解析を行っている。ロゼットの研究成果はほとんど報告されておらず、未知の部分が多く残されている。その主な要因としてはロゼットを植物体から分離・精製する事に成功していなかった事があげられる。私は平成17年度以前からロゼットの分離に成功していたが、平成17年度にはそれまで以上に精製度を高めたロゼット画分を得る事に成功した。精製を進めていく上で膜蛋白質の性質上、アグリゲーションを起こしてしまい、電子顕微鏡観察に不都合である事が多かった。私はこれを数種類のアミノ酸を一定濃度にして加える事で改善する事が出来た。 ロゼットを初めて分離・精製した事でそれまで成されなかった生化学的解析が可能になった。そこで私はセルロース合成活性を検出する実験を行なった。ロゼットにセルロース合成の基質と考えられているUDP-GLUCOSEを加えインキュベートした。結果、一部のロゼットから繊維状物質が形成された様子が電子顕微鏡で観察された。今後は更に条件の改良を行い、ロゼットの詳細なセルロース合成活性検出を定性的かつ定量的に行ないたい。 また、マウスにロゼット蛋白質を注射し、モノクローナル抗体の作製も手がけた。ロゼットに対する抗体は簡単には作成できず、ロゼットを変性させてからマウスへ免疫するなどといった工夫をした。現在、ウェスタンブロットで認識する抗体を数種類得た所である。今後は免疫電顕によってロゼットを直接認識する抗体のスクリーニングを行なう。その後はその抗体が認識する蛋白質を同定し、それをコードする遺伝子の決定へとつなげたい。
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