2006 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース合成酵素複合体(ロゼット)の全構成蛋白質の遺伝子同定及び機能の解析
Project/Area Number |
05J09948
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 聡志 大阪大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植物 / セルロース / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
私はこれまでに高等植物のセルロース合成酵素複合体と考えられてきたロゼットをアズキ芽生え上胚軸を材料として分離する事に成功してきた。その後、詳細な電子顕微観察を行う事でロゼット構造にこれまで知られていなかった新たな構造が判明した。また、酵素活性の検出には放射性同位体を用いてきたが、定量的な解析を行った結果、十分な酵素活性は保持していない事が判明した。私は活性を保持するのに必要なサブユニットを同定する為、セルロース合成の基質であるUDP-Glucoseが結合する蛋白質を探求した。すると、細胞膜画分を界面活性剤で処理した後の可溶性画分を陰イオン交換樹脂に結合させ、低濃度の塩で蛋白質を抽出した画分に目的の蛋白質があることがわかった。この蛋白質は80kDaの分子量を示した。この蛋白質はこれまでのロゼット分離法では最終画分に持ち込む事がなく、それ故にセルロース合成活性が得られなかった可能性がある。私はその後、金属イオンを含んだ界面活性剤溶液を調製し、それを用いる事によりロゼット画分に80kDa蛋白質を少量ながら持ち込むことに成功した。現在は80kDa蛋白質をより多く持ち込む事を目標にロゼットの分離条件を再検討しているところである。最終的には、前述のように放射性同位体を用いた活性検出法によってセルロース合成活性をin vitroで検出し、セルロース合成の分子メカニズムの解明につなげげたいと考えている。また、80kDa蛋白質の更なる解析を行うためにもこの蛋白質を抗原としてマウスに免疫し、モノクローナル抗体を作製しようと計画中である。
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