2006 Fiscal Year Annual Research Report
ネクチン-アファディン系による細胞間接着の形成と破壊の分子機構
Project/Area Number |
05J09953
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大塩 貴子 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞間接着 / 細胞極性 / アドベレンスジャンクション / タイトジャンクション / ネクチン / アファディン / Par-3 / アクチン細胞骨格 |
Research Abstract |
がん細胞の浸潤・転移と細胞間接着と極性の制御機構の破綻は密接に関連しており、生理的な細胞間接着と極性の制御機構を解明することは、がん細胞の浸潤・転移の分子メカニズムを理解するうえで必須である。私共は、上皮細胞において接着分子ネクチンがまず細胞間接着を形成し、低分子量Gタンパク質Cdc42とRacを活性化してアクチン細胞骨格を形成させること、さらに、その部位に接着分子カドヘリンをリクルートしてアドヘレンスジャンクション(AJ)、タイトジャンクジョン(TJ)、および細胞極性を形成することを明らかにしている。本研究では、ネクチン-アファディン系によるAJとTJ形成の分子機構を解析し、以下の結果を得た。 (1)ネクチンとアファディンの結合には、細胞極性因子Par-3、Par-6、aPKC複合体が必要であった。 (2)ネクチンとアファディンによるAJとTJの形成には、Par-3、Par-6、aPKC複合体が必要であった。 (3)ネクチンのトランス結合による低分子量Gタンパク質Racの活性化にPar-3は必要ではなかったが、E-カドヘリンのトランス結合によるRacの活性化にはPar-3が必要であった。しかし、Par-3ノックダウン細胞においてこのRacの活性化の回復は、ネクチンとアファディンによるAJとTJの形成に十分でなかった。 このように、ネクチンとアファディンによるAJとTJの形成には、細胞極性因子Par-3が以上3点で必要であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)